果肉が血(blood/ブラッド)のように真っ赤なことからこう呼ばれる「ブラッドオレンジ」。真っ赤な色のジュースをよく見かけますが、近年は日本でも栽培されるようになりました。生のブラッドオレンジは国内産で希少な高級品として取り扱われていますが、現在は輸入品も店頭でみかけるようになりました。ブラッドオレンジにも種類があるので、その違いをご紹介します。
・イタリア原産
ブラッドオレンジは、イタリアの地中海地域が原産といわれるオレンジで、通常のオレンジとは違って真っ赤な果肉が特徴的です。
ブラッドオレンジの主な品種としては、サンギネロ種・タロッコ種・モロ種があり、現在日本ではタロッコ種とモロ種が愛媛県や和歌山県で栽培されるようになっています。
・タロッコ種
イタリアのポピュラーなオレンジで、サンギネロ種が変異したとも言われています。タロッコ種は他の種より最も甘みが強く酸味もあるため、とても濃厚な味です。果実の色はブラッドオレンジの中では最も薄くほんのり赤紫色に色づく程度ですが、ジュースに加工したときのおいしさには定評があります。
・モロ種
モロ種はシチリア島の東部で作られてきたオレンジです。果肉はブラッドオレンジの中でも一番赤く、外の皮の部分にも赤い色がにじみ出てきています。果肉はとても濃い赤紫色(やや赤黒い)で、濃厚な香りと甘みが楽しめます。
・赤い色の秘密はアントシアニン
ブラッドオレンジの赤い果肉は、アントシアニンと呼ばれる色素によるもの。
ブラッドオレンジにはこのアントシアニンが他のオレンジよりも飛び抜けて豊富に含まれています。アントシアニンはワインにも含まれるポリフェノールの一種で、抗酸化作用が強いことが知られています。
・ブラッドオレンジの食べ方
ブラッドオレンジは主にジュースに加工された後で輸入されるので、真っ赤なジュースはぜひ一度味わってみてください。最近では生のブラッドオレンジも見るようになったので、手に入ったときはナイフでスマイルカットにして食べたり半分にしてスプーンですくって食べるのもおススメです。贅沢に絞ってジュースに…なんていうのもいいですね。その他、サラダの野菜と混ぜて食べると、見た目も鮮やかになり食欲増加にも繋がっていきます。
・そのままでもジュースでもおいしい
ブラッドオレンジやその他のオレンジを選ぶ時は、皮に張りがあって表面が滑らかなものを選ぶようにしましょう。持ったときにずっしりと重さを感じるものは果肉や水分がぎっしり詰まった証拠。大きさが同じでも軽いものは実が小さかったり水分が少ないこともあるので、避けた方がよいでしょう。
そのまま食べてもジュースで飲んでも、そのすっきりとした酸味と豊かな風味はどちらでも味わえます。ブラッドオレンジの品種の違いなどを知って、ご自身なりの選び方の参考にしてください。