スイカとメロンの違いとは?

◆スイカとメロンの基本情報

スイカもメロンも、分類上では同じ“野菜”です。しかも、野菜でもあり果物でもある“果実的野菜”なのです。これは農林水産省により、定められています。
そしてどちらも、ウリ科です。ちなみにキュウリやかぼちゃ、ズッキーニなども同じウリ科ですよ。
スイカもメロンも“ウリ科の果実的野菜”という基本は、同じなのです。

◆スイカとメロンの決定的な違い

色や大きさなどの見た目だけでなく、スイカとメロンには大きな2つの違いがあります。
まず、食べる部位です。
スイカは食べる部分にタネが含まれていますよね。一方、メロンは中心のタネを取ってから食べます。
スイカには赤い実の部分と緑の皮の間に、白い部分がありますよね。メロンではその部分が甘くて美味しい実の部分になります。そしてメロンでは捨てているタネとワタの部分が、スイカの甘くて美味しい部分になります。
もう少し専門的に説明しますね。
スイカやメロンには、部位が3種類あります。
1つ目が外側の皮の部分で、外果皮です。2つ目が最も内側にある部分で、内果皮です。そして3つ目は外果皮と内果皮の間にある部分で、中果皮です。スイカの食べる部分は中心部の内果皮で、メロンは中果皮を食べていることになります。
もう1つの違いは、最も甘い部分です。
スイカの甘い部分は中心部分ですが、メロンはおしりの部分なんです。
ですから切り分けて食べる時には、注意が必要ですよ!

◆スイカとメロンはなぜ違う?

スイカとメロンの異なる特徴が生まれた原因は、動物にタネを運ばせる方法の違いからだと考えられています。
スイカはもともと砂漠地帯に成育する、過酷な環境の植物です。そのため、主に鳥に食べてもらい、タネを運んでもらいやすいように進化したと考えられます。成熟した時に自然に破裂するスイカは、空を飛ぶ鳥から見つけやすく、タネが散らばっている方が鳥に食べて運んでもらいやすいので、今のように甘い部分の中にタネがある形になったのです。
メロンは中心部にタネとワタがありますよね。あのワタには栄養があり、ワタと一緒に動物に1口で食べてもらえるように、中心に集まったと考えられます。
だからタネの位置や甘い部分に、違いが生まれたわけです。植物の繁殖のワザだったんですね。

いかがでしたか?
スイカとメロンに違いはあっても、どちらも美味しいことに変わりはありませんよね。
今回ご紹介した雑学を、次に食べる時にちょっと思い出してもらえたら嬉しいです。