今ではすっかりメジャーになった、フルーツ大福。たくさんの種類があり百貨店の食料品売場などでもよく目にしますよね。
そんなフルーツ大福の先駆けと言えばいちご大福ですが、それから長い間いちご大福の天下を揺るがすフルーツ大福はなかなかあらわれませんでした。そんな中名乗りを上げたのがみかん大福でしたが、美味しいみかん大福が出来るまでにはたくさんの苦労があったそうです。
○みかん大福発祥の店
みかん大福は、柑橘王国愛媛県にある和菓子店で生まれました。
いちご大福のいちごのかわりに地元愛媛の特産品であるみかんを入れたらどうだろう、というアイデアのもとうまれたみかん大福。
まずは中のみかん選びから苦戦します。
みかん大福に使用するには、味が美味しいのはもちろんですが、通常私たちが目にしているものよりも小さなサイズのみかんが必要です。
味やサイズの合ったみかんを安定して供給してもらえる生産者さん探しに、なんと5年もかかったそうです。
紆余曲折経てみつかったのは、やっぱり地元愛媛県の農園さん。
通常の栽培では摘んでしまう3Sサイズのものを、時間をかけて熟して使い始めました。
○みかん大福の製造工程
そうして作られた味の詰まったみかんを一つ一つ手で剥いて、丁寧に筋をとります。
機械や薬品は一切使用しません。
手間暇かけて剥いたみかんを包むのは、北海道産の白あんです。
みかんとの最良の甘みのバランスをみつけるために、徹底的に白あんの甘さと量を研究しました。
そのふたつをもち米や砂糖、求肥蜜で作ったもちもち食感の生地で包めば、みかん大福の完成です。
○みかん大福の考案者
そんなみかん大福を考案したのは、実はグアム出身のアメリカの方なんだそうです。
奥様のお父様である先代が身体を壊した時に、歴史ある和菓子店を潰すわけにはいかないと日本にやって来ました。
もちろん和菓子のことなど全く知らなかったのですが、猛特訓しながらみかん大福を考案したそうです。
みかん大福は、老舗の和菓子店の伝統とグアムからの新しい風が生み出したものだったんですね。
甘酸っぱいみかんと甘いあんと生地の絶妙なハーモニー。
みかん大福を食べたことのある方もない方も、食べたくなってきませんか?
今では気軽に色々なところで購入出来ますので、見かけたら是非試してみて下さい。
お茶請けに愛媛で生まれたみかん大福の歴史話もお忘れなく!