みかんが高級品になったのはいつから?高級みかんの歴史

一般的にみかんと聞いてみなさんが想像するのは、お手頃な温州みかんですよね。秋頃になるとスーパーの店頭にもずらりと並ぶ、身近な果物の1つです。そんなみかんに新品種が生まれ、ブランドなるものまで登場しているのを知っていますか?

 

○みかんの高級品化

温州みかんとはまた違った、高級みかんはどうやって生まれたのでしょう。
その秘密は愛媛にある「みかん研究所」が教えてくれます。みかん研究所は昭和8年に「農事試験場南予柑橘試験地」として誕生しました。それから85年の長い歴史の中で、栽培技術や新品種の開発を行ってきました。
みかんは種を蒔けばすぐに実が取れて、新品種が出来上がるわけではありません。種から育てて接ぎ木し、初めて実をつけるまでに5〜6年かかります。そこから新品種として登録するまでに10〜15年、合わせて15〜20年もかかるのです。
みかん研究所では1年間に1000種類ほどの新品種候補を育てています。それでも新品種として登録・販売されるのはほんのわずかで、5年に1つくらいの割合なのです。
また、登録されてもすぐに量産は出来ず、経験を積みながら少しずつ生産量を増やしていくしかありません。
そうやって手間暇かけて育てあげた新品種は、味や形、食べやすさなど様々な項目をクリアした逸品です。
こうして生まれた新品種のみかんが、高級みかんとして市場に流通するようになります。
開発されるまでのコストや、新品種を生産するコスト、収穫時期が短いことや収穫量が少ないことなど、様々な理由から新品種はどうしても高級品になってしまうのです。ただ、その値段の価値があるのは間違いありませんよ。

 

○みかん研究所で生まれた高級みかん

みかん研究所で長い間試行錯誤を繰り返して生まれた、ブランドみかんをご紹介します。
まずは「媛まどんな(紅まどんな)」です。たっぷりの果汁ととろける食感で、今までのみかんの常識を覆してくれました。
それからしゃきっとした食感が美味しい「甘平」もみかん研究所で誕生しています。
フルーティーな風味の「媛小春」は、みかん研究所で誕生した最も新しい品種です。まだ流通量はごくわずかですが、柑橘通の人たちの中ではすでに人気となっています。

もちろん現在もみかん研究所での新品種開発は行われています。「媛まどんな」と「甘平」を交配した「愛媛48号」も開発中のようで、市場に流通する日はそう遠くないかもしれません。早く食べてみたいですね!