ポンカンは12月頃から出回り始め、3月頃まで出荷が続きます。出荷のピークは2月頃です。出荷量が最も多いのは愛媛県で、全体の約81%も占めています。次いで熊本県、和歌山県の順となっています。ポンカンには2種類あって旬が違うのでご紹介しましょう。
□高床系(高しょう系)
高床系はほぼ丸い形で、若干角ばっているのが特徴。これらのポンカンは「早生」とも呼ばれ、早い時期に収穫され出荷されるポンカンです。早生のポンカンの場合、旬の時期は1月頃です。
・吉田ポンカン
昭和4年、鹿児島県の吉田静吉さんが台湾の優良品種の穂木を垂水市神田の町田静介さんに送って栽培したもの。
・今津ポンカン
昭和26年、愛媛県北宇和郡の今津伊勢夫さんが、高知県土佐市の市原氏より台湾から持ち帰った優良系の穂木を分けてもらったものを、高接ぎし栽培したもの。
・徳村ポンカン
高知県東洋町甲浦の徳村茂隆さんが昭和12年頃から栽培したもの。
□低床系(低しょう系)
低床系は平たい円形をしたポンカンで、こちらは「晩生」と呼ばれ、収穫も出荷も早生より時期的に遅いです。よって、晩生のポンカンは2月頃に旬を迎えるのです。
・森田ポンカン
昭和30年ごろ高知県須崎市浦ノ内、森田可笑さんが枝代わりとして発見。外観はみかんに似ていて、表面は粗く色は濃い。ポンカンの中では酸味が強く味は濃厚。貯蔵性に富む。
・太田ポンカン
昭和22年頃、静岡県清水市庵原町、太田敏雄さんが枝変わりとして発見されたもの。種の少なさと果皮がなめらかで薄いのが特徴。
□どちらのポンカンが甘い?
ポンカンは他の柑橘系よりも酸味が控えめで甘さがあり、皮も薄皮もともに柔らかいので、簡単に手でむいたり、薄皮ごと食べたりすることもできます。甘さの点でいうと、晩生のポンカンの方が甘みは強く、皮も濃いオレンジ色をしています。
□ポンカンは寝かせると甘くなる
ポンカンは11月から収穫が始まります。しかしこの時期のポンカンは完熟ではないので、まだ酸味が強いのですが、冷暗所で1か月から2か月ほどポンカンを寝かせることで、完熟するのを待つことになります。そうして完熟を迎えたポンカンから、次々に出荷されていくのです。
□ポンカンは何月が1番おいしい?
ポンカンが店頭に並ぶのは12月から3月の間ですが、市場にもっとも多く出回る時期は1月と2月です。出荷されるポンカンのおおよそ9割が、この時期に店頭に並ぶことになります。よって、出荷量の点で考えると、ポンカンの旬の時期、つまり食べ頃は1月と2月ということになるのです。
ポンカンは椪柑、凸柑とも書きます。ポンカンが旬を迎える1月~2月になったら、売り場で形や品種を確かめてみましょう。より甘いポンカンが好みの人は、晩生「太田ポンカン」を選ぶことをおすすめします。