りんごから発生するエチレンガスってなに?

エチレンガスって知っていますか?
ガスと聞くとなんとなく体に悪いもののような気がするかもしれませんが、エチレンガスは有毒物質でもなんでもありません。
自然界に存在する、ごく普通の物質なのです。

エチレンガスとは?

エチレンガスは、野菜や果物が成長するのに欠かせない植物ホルモンの一種です。
エチレンガスのおかげで野菜や果物は熟して、美味しく食べられるのです。
しかし、このエチレンガスは野菜や果物を収穫した後も発生し続けます。
食べ頃を過ぎても成長を促し続けるので、やがて野菜や果物が腐ってしまう要因にもなります。
りんごはこのエチレンガスを多く排出する食べ物の1つです。
だからといってりんごが腐りやすいわけではないのですが、保存に気をつけなければ周りの食べ物の腐敗を促してしまう可能性があります。

りんごを保存する時の注意点

りんごを冷蔵庫などに保存する時、そのまま他の野菜や果物と一緒にしてしまうと、傷みやすくなってしまいます。
ですから、密閉できる容器やビニール袋に入れて、しっかり口を閉じるようにしましょう。
また、傷みやすい食材の近くには入れずにおくと、さらに安心です。

りんごのエチレンガスを活用する方法

りんごのエチレンガスは腐敗を進める悪いものという印象を与えてしまったかもしれませんね。
しかし、実はエチレンガスはうまく利用すればとても役に立つものなのです。
例えば、じゃがいもと一緒にしておくと、じゃがいもの発芽を抑制する働きがあります。
また、固いキウイやバナナなどと一緒にしておけば、追熟効果があります。
渋柿と一緒に1週間ほど保存すれば、シブが抜けて甘柿のようになるとも言います。
(温度が高い方がエチレンガスの発生量も増えますので、追熟を行いたい場合は冷蔵庫より常温保存がお勧めです。)
さらに、ケーキを美味しく保つ効果も期待できるというから、驚きです。
ケーキを冷蔵庫に保存しておくと、どうしても気になるのがスポンジのパサつき感ですよね。
そんな時りんごを丸ごとケーキの箱に入れておけば、翌日もふわふわのスポンジや生クリームを味わえるのです。これはぜひ試したいですよね。

このようにりんごから発生するエチレンガスは、保存方法さえ間違えなければ大変役に立つものです。
正しい保存方法をし、りんごのエチレンガスの発生もうまく利用して、他の食べ物も美味しく食べてくださいね。