「柑橘の大トロ」と呼ばれるせとかをご存知ですか?
せとかは育てるのが難しい品種の1つで、そのほとんどがハウス栽培されています。
しかし、あえて大変な露地栽培をして、せとか本来の味を引き出している農園もあります。
○せとかとは
2001年に品種登録されたせとかは、優秀な柑橘類を掛け合わせた、柑橘のサラブレッドです。
せとかは「清見」と「アンコール」を掛け合わせたものに、「マーコット」を交配して育成されました。
「清見」は「宮川早生」と「トロビタオレンジ」を掛け合わせたもの、「アンコール」は「キング」と「地中海マンダリン」を掛け合わせたもので、まさに交配に交配を重ねて生まれた、究極の柑橘なのです。
その果実は大きく、柔らかく簡単に手でむける外皮、そのまま食べられる薄い内皮、柔らかくとろける果肉にはタネもなく、酸味と糖度はベストバランス!せとかはもはや非の打ち所がない柑橘なのです。
○せとかの栽培が難しい理由
そんなせとかは栽培に大変手間がかかり、究極の柑橘だからといって、農園も簡単には手を出せません。
と言うのも、幹には鋭いトゲがあるため風などで自ら実を傷つけてしまうことがあり、剪定には大変気を遣います。
ヒモで吊るすなどの工夫も欠かせません。
また、紫外線で皮が日焼けする神経質な柑橘でもありますから、3重に袋がけをするなどの作業も必要となります。
そのため、収穫量は増えつつあるものの、まだまだ希少な品種なのです。
○露地栽培せとかの魅力
せとかはただでさえ神経質な柑橘ですから、露地栽培をするにはさらに気を遣わなければなりません。
栽培地の条件としては、一年を通じて温暖な気候と、水はけの良い土壌が欠かせません。
せとかの収穫量No. 1である愛媛県には、その条件が整っています。
サンサンと降り注ぐ太陽の恵みと海からの照り返しの優しい太陽の温かさが、美味しいせとかを作り上げています。
太陽の光を浴びて育った露地栽培のせとかには、天然の美味しさとたっぷりの甘さが閉じ込められているんです。
樹上完熟させた露地栽培のせとかを1度食べたら、他の柑橘では満足できなくなるかもしれませんよ!
露地栽培のせとかを食べられるのは、2月の中旬から4月の初め頃までと、短い期間だけになります。
ハウスものは12月下旬から2月中旬頃に出回りますから、まずハウス栽培のせとかを味わってから、露地栽培のせとかを味わい、その違いを楽しむのもお勧めです。